皆さんの脳は、簡単に表すとこのような働きをしています。
この脳の一連の情報処理の途中で、どこかの部位に何らかの機能障害がある、話す・聞く・行動する・感情を表すなどの際に、うまくいかないことがあります。
聴覚系認知に障害があると、耳からの情報処理がうまく行きません。
- 音や声がみんな同じ強さに聞こえてしまう
- 教室の中で先生の話に集中できない
- 集団の中で支持が聞き取れない
- 似た音を聞き誤る
- 声での指示がわかりにくい
- 一生懸命に聞いていても内容が理解できない
- 周りの様子を見ながら行動するので出遅れる
- 勘違いのような行動が見られる
- 落ち着きがないように見える
聴覚系認知と ワーキングメモリー の障害があると、言葉の短期記憶がうまく行きません。
- 話しているうちにどんどん話がずれてしまう
- 指示されたことを忘れて何度も聞き返す
- いくつかの用事を頼んでも、それらをこなせない
- 少し前の作業を忘れてしまう
- ある行動を始めたのに、他の言葉や音につられて違う行動になる
ワーキングメモリーの障害があると、注意集中や課題実行がうまくいきません。
1)注意記憶障害(右前頭葉~頭頂葉機能)
- 注意が安定して持続しにくい
- たくさんの情報から集中して選択できにくい
- 注意を他に向けることが難しい
- 同時に2つ以上の情報に気を配ることが難しい
2)遂行機能障害(前頭葉機能)
- モチベーションをもちにくい
- 計画をすることが困難
- 試行錯誤できにくい
- 持続しにくい
- 反省しにくい
行動・情緒障害(前頭葉)に障害があると、心のブレーキが効きません。
- 依存性が高くなる
- 感情調整がうまく行かない
- 欲求調整がうまくいかない
- 意欲・発動が低下する
- 固執性が出てくる
- 多弁・多幸になる
- 共感性が低下する
また、どんな人も2系列の情報処理のいずれかが得意です。
1)継次処理(前頭葉~側頭葉)
ひとつずつ、正確に、順序だてて、言語的に
作業や課題の取りくみ方がわかっていたり、モデルがあると上手にできますが、自由度が高いと優先順位がつけられずに混乱します。
2)同時処理(頭頂~後頭~側頭葉)
一度に、おおまかに、全体的に、視覚的
自由度が高くても混乱することなく、優先順位を決めながら作業や課題に取り組めますが、おおざっぱで正確さに欠けます。